| ●低容量ピルの特徴 |
a.最も確実な避妊法、男性に頼らずに女性が主体的にできる b.服薬を中止すればすぐに正常な妊娠が可能、若い女性向きの避妊法 c.服薬禁忌者でなければ安全 d月経関連症の改善効果がある e.子宮内膜症の予防になる f.不妊症の予防になる |
a. 平成11年に報告された東京都の調査によると、高校3年生の男子の37.8%、女子の39.0%が性交を経験ずみでした。でも、避妊となると、常に避妊を実行したのは男子38.9%、女子23.3%とかなり少ないことがわかりました。高校生では時々避妊をしない者が大半で、当然、望まない妊娠が生じます。それら妊娠例の最多実行避妊法はコンドームでした。 10代の妊娠中絶数は増加を続けていますが、わが国では10代が妊娠した場合、そのほとんどが中絶せざるをえません。中絶によって早産するリスクは高まり、4回経験すると早産するリスクは8倍にも高まります。 1992年のわが国の出産中絶の割合では36%だけが予定していた出産であり、36%は予定外の出産、3%が望まない出産、25%が中絶となっていて、諸外国と比べて予想外の出産や中絶が多いことが際立っています。結婚後も避妊に失敗しているカップルがわが国には多いといえます。 世界の避妊法を見比べたときに際立った違いを見せるのが、わが国におけるコンドーム使用率の高さです。先進国ではピルの使用が最も多く、そのほかコンドームや子宮内避妊具(IUD)、不妊手術が選択されています。コンドームには性感染症予防という大きなメリットがあるのですが、性感が損なわれるので、これしか避妊法がなければ、男性は「避妊を時々していた」という程度になってしまい、結果的に望まない妊娠を生じてしまいます。 |
b. 産婦人科疾患で最近急速に増加しているのが子宮内膜症です。厚生省の調査から推定した国内の患者数は、12万人を超えます。症状は骨盤付近や下腹部の痛みのほか、月経困難です。不妊の原因の半数は子宮内膜症といわれています。月経の血液と一緒に体外に流れ出るはずの子宮内膜の細胞が卵管を通って逆流し、子宮の筋肉や骨盤で固まることが原因と推定されています。月経の回数が多いほど起きやすいといわれています。 避妊だけでなく、ピルには子宮内膜症の予防作用があります。ピルを服用したことのない女性における子宮内膜症の発症リスクを1とすると、5年以上のピル服用者では子宮内膜症の発生リスクは0.4と60%も低減するといわれています。 |
| c. 子宮内膜症以外にも、生理痛、過多月経と貧血、月経不順、高アンドロゲン症(にきび、多毛)、卵巣嚢腫、子宮外妊娠、卵巣癌、子宮体癌、骨盤内感染症、乳房良性疾患などの月経周期の増加による疾患がピル服用者では減少します。 |
| d.. ピルの服用後には妊娠できなくなるのではないかという危惧をもたれる方もありますが、ピルをきっかけに不妊になることはなく、逆に不妊症の予防作用があります。具体的には、ピルを服用したことのない女性における不妊のリスクを1とすると、ピル服用者の相対リスクは0.6と40%の軽減が認められます。これは子宮内膜症、子宮体癌を抑制することによるものです。ピル服用者では閉経後の骨粗鬆症の発生も減少することが報告されており、女性のライフサイクル全体にメリットが認められます。 |
| e. ピルというと、まず副作用について質問されます。服薬開始して数ヶ月間は妊娠中のつわりに似た嘔気や頭痛がみられることがありますが、服薬を続けていると消失します。服薬忘れさえなければ、ほぼ100%の避妊効果があります。ピルの本当の意味の副作用は血栓症ですが、服薬禁忌者でなければ非常に少なく、今度解禁された低容量ピルではそのリスクは軽減していて、若い女性ならほとんど起こらないはずです。 |
| f. 女性のライフスタイルに合わせた理想的な避妊法は、思春期から結婚するまでは、妊娠は許されないので、避妊法としてもっとも確実なピルを選び、性病予防のためにコンドームを併用します。ピルを服用していれば、結婚後は夫が性病でない限りコンドームは不要です。妊娠を希望すればピルを中止して、3ヶ月で月経は回復し、それから妊娠出産します。もう妊娠の必要がなくなれば不妊手術などを選択していきます。 |
| g. 当院では「若い女性にはピルが必要」と考えています。若い女性には副作用はほとんどなく、病気や不妊の予防にもなるので、怖がらずに試して欲しいと考えています。そのために低価格を目指しています。「やっと手に入れたピル」です。現在のわが国の「コンドーム、失敗すれば中絶」という状況から脱さないといけないとおもいます。ぜひ、普及させていきたいものです。 |
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